久喜市の公共施設、特に小中学校で校舎の維持管理が十分になされていなくて、老朽化が進行し、雨漏りや外壁落下、エアコンの故障が相次いだ。
新聞やTVにも何度も取り上げられて、全国に「久喜市の学校校舎や公共施設のひどい実態」が知れ渡った。
市議会で、私や他の多くの議員たちが取り上げて、早急に改修を進めるように提言し、ようやく一昨年くらいから緊急の補修に取り組んできた。
10年以上も維持管理費を節減して改修を先送りしてきたツケがたまりにたまっていたから、個別の補修ではまにあわない状態に追い込まれた。
とうとう今年度の当初予算で財政調整基金、減債基金、アセット基金などのほとんど全額を取り崩して、学校校舎の改修に30億円以上、その他の公共施設でもいっぺんに改修を進めざるを得なかった。
私や何人かの議員が、市議会で何度も取り上げて改修促進を求めてきた。
また関心を持ってくれたマスコミの記者に聞かれれば、A小学校やB中学校の実態を紹介して、記事にしてもらったこともある。
それらの行動が相まって、市も公共施設の改修に大規模な予算を投じざるを得なくなったと言える。
ところが、それを、春山議員などのように「“久喜市はこんなに酷い自治体だ”と内外に発信し続ける議員がいる」と誹謗中傷をする議員もいる。
他にも、園部議員はSNSで、『(久喜市の公共施設のひどい実態を)マスコミにリークしている議員がいる』と書いた。
リークというのは普通は「秘密を漏らす」ことを言うから、園部氏は久喜市の学校のひどい状態は秘密にしておくべきことだと理解していたらしい。
9月議会の一般質問で、大谷議員は久喜市の先進的な教育の実績を取り上げた質問の中で、「久喜市のネガティブな報道が多い」と発言した。
これはやっぱり小中学校の校舎の老朽化問題がマスコミで何度も流されたのを、非難したかったのだろう。
しかし、はたして「ネガティブな報道」がされたことが問題なのか。
そうではなく、久喜市の小中学校校舎の老朽化で雨漏りや外壁落下の事実を、マスコミが何度も取り上げるほどにひどい実態が、数年以上も放置されていたことが問題なのではなかったか。
別に、マスコミが久喜市の悪口を報道したわけではなくて、久喜市の公共施設の酷い実態の「事実」をそのまま報道しただけなのだ。
久喜市の当局にとっては都合が悪い、あまり他に知られたくないであろう「事実」を報道したに過ぎないのに、「ネガティブな」事実を、報道した方が悪いみたいな言い方は何という傲慢さか。
大谷氏は、「ネガティブな報道が多くなされた」ことを被害者みたいに言うのではなく、何度もマスコミで取り上げられるほどにひどい実態があったことを「恥ずかしい」と思うべきではなかったか。
市民や子どもたちにとっては、マスコミの報道が問題なのではない。
「校舎のひどい実態を、何年もに渡って放置してきた」久喜市行政や、それをただせないできた市議会こそが問題なのである。
それをマスコミが社会的政治的問題として取り上げてくれたからこそ、私たち議会の議論とも相まって執行部に対して一定の改善を行わせることができた。
質問時間は「私の時間」だからどう使ってもいいか?
もう一つ、別の質問項目の再質問で大谷氏は、自説をとうとうと述べて演説を始めてしまった。
よくあることではあるのだが、自分の“演説”に酔って(?)か知らぬが、延々と演説が続いてなかなか質問をしようとしない。
私がしびれを切らして、「そろそろ質問に入りませんか」とヤジを飛ばしたら、大谷氏は「うるさい」「私の時間だからいいじゃないか」と言う。
1人最大35分までの質問時間が割り振られているから、その時間は何をしゃべろうが自由だと思っているらしい。
しかしこれは「質問時間が35分限度」であって、「演説時間」ではない。
ましてや、その時間は「私の時間」ではなくて、執行部職員が質問に対して答弁するために議場に縛られている時間である。
他の議員も質問者と答弁者の議論を、久喜市の政策議論として今後に生かすために真剣に聞いているのだ。
議員が個人的な意見を執行部に聞かせたいのだったら、別の所でやればいい。
議会は議論の場であり、一般質問は質問と答弁をかみ合わせて政策形成の機会であり、そのために全議員と20人近くの執行部職員が出席を義務付けられているのだということを、私たち議員は心すべきだろう。
この日の最後に登壇した議員は質問時間35分の内の25分を使って1回目の質問を行った。
通告書にも書いていない、個人的な消防団の経験談の演説で、一向に質問に入ろうとしなかった。
この人は新人議員(と言ってももう2年過ぎている)だったのだが、ベテラン議員が演説しているのを見て、やっぱり何を言ってもいいと勘違いしているらしい。
国会でも以前、質問時間が余ったから、般若心経を唱えて時間を潰した議員がいたが、あの人も質問時間は自分の時間だと勘違いしていたのだろう。
この記事へのコメント
ただ、最近はあまりにもネガティブ報道が多いので、ポジティブ報道のリーク(笑)もしてほしいです。