久喜市議会の最大会派が、4月に「みらいの会通信」なるものを新聞折り込みで全戸に配布した。
しょせんは自己宣伝であって、都合の良いことしか書してないことはわかっているのだが、市民をだます記事は許されない。
市長が選挙公約に掲げてずっと固執していたフルマラアソン大会が中止になった経緯で、みらいの会が「フルマラソン大会は難しい」と市長に申し入れたという記事である。
ちょっと待ってほしい。
最大会派の皆さんはずっと、梅田市長のフルマラソンの公約を強力に後押ししてきたのであった。
多くの市民から、私たちにもまた市役所にも、「フルマラソンは失敗の可能性が高い。久喜市の恥だから、早くやめさせろ」という声が寄せられていた。
市民の政治を進める会や共産党、無会派の議員たちが、最初から「久喜市ではフルマラソンは無理だ」「税金のムダ遣いだから早期に断念すべきだ」と言ってきていた。
ついに昨年には久喜市の親善大使で、プロランナーの川内優輝氏までもが、SNSに「フルマラソンはやめるべき」「応援しない」と書き込んだ。
これで勝負あったかと思ったのだが、それでもまだ市長も議員たちも「実現」に固執していたのであった。
実際、昨年2月議会では、川内議員と上條議員(現議長)が、フルマラソン推進で論陣を張った。
川内議員曰わく
『ぜひとも久喜市でフルマラソンを実現してほしいなど、たくさんの期待の声が久喜市内外のランナーから多数寄せられている』
『地元にお金が落ちるだけではなく、本市の魅力が大いに伝わることを期待している。経済的効果と社会的効果の両面から地域活性化を後押しできる』
『走ると言えば久喜市、これこそが本市が目指す市民ランナーの聖地の姿です』
『日本陸連公認のフルマラソン大会をぜひとも久喜市で開催し、スポーツの振興とともに健幸・スポーツ都市としての魅力やブランド力をさらに高めていくことを期待する』
上條議員曰わく
『フルマラソン大会は、梅田市長が選挙公約として掲げたものであり、開催を期待している方が大変多くいらっしゃいます』
『フルマラソン大会は、多くのランナーに久喜市を走っていただき、久喜市の空気に触れ、久喜市の人々と触れ合うことで、久喜市の魅力を肌で感じていただく絶好の機会でもある』
『今後はこの大会をより魅力ある大会にするために、プレイベントを開催する考えが示された。このプレイベントは、大会がよりよいものとなるよう開催されるもので、財政的な課題の解決などにもしっかりと取り組まれますようお願い申し上げます』
もう一つ、正式の場での発言ではないのでだれとは書かないでおくが、『1億円くらいですむんなら、市長の公約なんだからやらしてあげればいい』と言い放った議員もいた。
そして、11月議会の一般質問では成田議員がこう述べた。
「フルマラソン大会については、いま一度市民に問いかけるべきであります。久喜マラソン大会でボランティアに入る皆さんの理解や協力あってこその事業開催であるとも考えますが、いかがか伺います」
この質問を聞いて、最初は「フルマラソン反対という市民の声が強いから、そうした声を聞いて考え直せ」と言っているのかと思ったのだったが、実はそうではなかった。
部長の答弁は、『フルマラソン大会がまだ確実に固まっていないが、準備が整ったら、市民の皆様にもご理解いただけるよう進めてまいりたい』と、あくまでも推進すると答弁した。
それに対して、成田議員は何と言ったか。
『皆さんに理解をしてもらえるように働きかけることが大事だ』『コース案が出来上がったら、もうすぐに実現に向けて各団体の協力を求めたり、準備を進めていくことが必要だ』と述べて、この質問を終えたのである。
つまり成田氏は、見直せなんてことは一言も言わなかった。
市民の声を聞いてフルマラソン開催を見直せと言ったのではなくて、「コース案を早く各団体や市民に説明して協力を求めて準備を進めるべきだ」と言ったのである。
「みらいの会通信」には、11月議会で「市民に問うべき」とただしたと書いてあるのだが、実は「フルマラソンの実現へ向け、市民に協力を求めていくべき」という質問だったのである。
市民にウソを言ってはいけない!!
市民はどうせ会議録までは見ないから、ウソでも何でも書いてしまえば市民は信じるよ、だいじょうぶだと思っているのだろうが、市民をだますことはできない。
「通信」には、みらいの会が市長に「今一度考え直す必要がある。開催は難しい」と申しいれたとも書いてある。
昨年末には、もう開催は不可能ということがわかっていたから、その段階であわてて申し入れをしたらしいが、そんなミエミエの“アリバイ作り”は恥ずかしくないか。
市長がフルマラソンを断念したのは、市民の圧倒的な反対の声を聞いて悔い改めたからではなかった。
もっと残念ながら、議会の私たち少数会派の反対の意見や、ましてや多数会派の意見を聞いたからでもなかった。
なにしろ、多数会派は、最後まで市長のフルマラソンを後押ししていたのだったから。
市長が断念したのは、コース案が警察の許可を得られなかったからに過ぎない。
市が委託業者に作らせたコース案は、埼玉東部の大動脈の1つである国道122号線やさいたま栗橋線を何時間もストップさせ、その迂回路も示すことができないというオソマツなものであった。
最初の案では、122号線の圏央道のインターチェンジの入り口を折り返し点に設定するなんていうメチャクチャな計画で、こんなものが認められると思った方がおかしい。
この記事へのコメント
市民を騙して票を集めるのが目的なので、現状でも詐欺未遂罪になるのでは?
https://keiji-pro.com/columns/268/